Nov 05, 2010
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マウスコンピューターは7月30日、長野県飯山市の同社工場内で「2011年度親子パソコン組み立て教室」を開催した。飯山市で行われる同社主催のPC自作イベントは今回で2回目。昨年の第1回は市内の小学校から応募を募ったが、「県外でも参加したい」という大きな反響が寄せられ、第2回では飯山市招待枠とは別に小学6年生を対象として広く参加を受け付けた。実に北海道から沖縄まで全国に渡って多数の応募が集まったという。競争率の高い抽選で選ばれた20組の親子の中には、夏休みを利用して徳島や三重など、遠方から参加した人もいる。
【「2011年度親子パソコン組み立て教室」の会場のようす】
冒頭に登壇したマウスコンピューターの小松社長は、パソコン教室を通じて学んでほしいこととして「まずはPCを好きになってほしい。(自分でPCを)組み立てたり工場を見学してパソコン博士になってほしい。(PCは)部品が1つ欠けてもだめなんだということを知ってほしい」と子どもたちに語り、「夏休みのいい思い出にしてください」と結んだ。また、今回は飯山市の足立市長も来賓として登壇し、「飯山はご覧の通り自然が豊かなところで、県外からいらっしゃった人は最先端のPC工場があるとは思わなかったかもしれません。パソコンの組み立てと一緒に、是非飯山の自然も楽しんでください」とアピールした。
●ノート型ベアボーンを組み立てる
今回組み立てるのは「LuvBook T」シリーズのノート型ベアボーンだ。手順は、ノートPC底面のカバーを開けて、CPUをはじめ各種パーツを組み込み、カバーを閉じるまでの全7工程の道のり。この間にネジを締めたり、グリスを塗ったり、ケーブルを接続したりと、さらに細かい作業が発生する。
普段、小学校の授業でPCに触れている子どもたちも、ノートPCの中に入っているパーツを見るのは初めての経験だろう。PC自作ユーザーであればそれほど難しい作業ではないものの、ドライバーを持ったこともない子どももいる中、無事に組み立てることができるのだろうか?
昨年に引き続き“校長先生”となったのは、飯山工場の橋立氏だ。組み立て前の準備として、各パーツの持つ機能の説明や、ネジの締め方、グリスの塗り方などが丁寧にレクチャーされていく。最初は緊張した面持ちで説明を聞いていた子どもたちも、「CPUは脳、メモリは机、HDDは本だなに――」という(退屈な?)説明が続くうちに、「そんなことより早く組み立てさせろ」という表情でパーツを指でつついたりしていたのがほほえましい。その後、まずは肩慣らしとして、別途用意されたグラフィックスカードのネジを外したり締めたりする予行練習が行われた。
練習が終わるといよいよ組み立て作業だ。まずはベアボーンの底面カバーを外すのだが、これがかなりガッチリとはまっており、子どもの力ではなかなか外しにくい。基本的に保護者は“手出し無用”のため、心配そうな顔で眺めることしかできないが、2組の親子につき1人の女性スタッフ(先生)がサポートにつき、要所要所で手助けをしてくれる。先生にカバーを外してもらった子どもの中には、もう1度カバーをはめ直し、あらためて自分で外すという生徒もいて「最後まで自分で作る」という意気込みが感じられた。
次に、校長先生が「ここが勝負どころ」と語るCPUの装着だ。いきなり勝負どころをむかえて子どもたちはやや困惑気味だが、「端子に触れないように!」「そっと!」「落とさないで!」と大げさに張り上げられた声を受けて、子どもたちの顔に緊張が走る。CPUをつまむ手がふるえている子どもや、その様子を息を止めて見守る保護者もいて、思わずこちらも緊張してしまうほど。作業を終えた親子は、ほっとため息をつき、笑顔で顔を見合わせていた。
この難関を乗り越えたら、CPUとGPUにグリスを塗ってファンを取り付け、メモリ、HDD、光学ドライブと順に組み込んでいけばいい。CPUファンのコネクタの向きやメモリスロットの切り欠き、太さの違うネジなどで試行錯誤する場面も見られたが、すぐそばで先生がサポートしてくれたこともあり、どの子どももほとんどの作業をスムーズにこなしていった(実際、どの作業が1番難しかった? という問いに最も多かった答えが「底面のカバーを外すところ」だった)。
●工場見学のあとは午後の授業――写真からムービーを作ろう
ノートPCを組み上げた後は、飯山工場内の見学と、お昼の休憩を挟み、午後に行われる授業の準備に入る。品質試験から戻ってきた“自作ノートPC”が各自の机に並べられ、「電源オン」のかけ声とともにいっせいに電源ボタンが押されると、しばらくしてWindows 7の起動画面が現れ「無事成功」となった。会場には自然と拍手が沸き起こる(もっとも、昼食を取っているあいだに工場のスタッフがOSをインストールしていたわけで、「失敗」はないのだが……)。
続く午後の授業は、先ほど組み上げたばかりのノートPCを使って、ワコムのタブレットで写真を加工したり、Windows Movie Makerで動画を作成する、より実践的な内容になっている。ここでマイクロソフトの池田氏が講師として招かれ、初回起動時のユーザー設定や、Windows 7の便利な使い方を説明したあとに、実際のソフトウェアを使った講義が行われた。
参加者の中には、Windows Movie Makerを使うのは初めて(そもそもWindows 7が初めて)という子ども多かったようだが、熱心に池田氏の説明を聞く保護者をよそに、子どもたちはデジタル写真を思い思いに加工したり、複数の写真にさまざまな効果をつけてムービーにしたりと、臆することなくオリジナルムービーを作っていたのに驚かされた。
参加した親子に話を聞いたところ、やはり多くの家庭ではPCは家族共用になっており、子ども用のPCは用意していないという。今回組み立てたノートPCが「はじめての自分だけのPC」になるケースがほとんどで、子どもたちは梱包されたPCを抱えて目を輝かせていた。ただ、中には(ペアレンタルコントロールの難しさから)「インターネットは使わせたくないなあ」と語る保護者もおり、小学生にPCを与える難しさも感じた。
兵庫から参加した親子は「こういうイベントで子どもの視野が少しでも広がればと思い参加しました。ちょっと不安だったのですが、となりで見ていて『しっかりやっているな』と感慨深かったです。PCは子どものものにする予定ですが、夏休みのあいだパソコンばっかりやってたら困りますね」と笑っていた。ちなみに、兵庫から前日の朝4時に出発して松本市内に一泊した後、組み立て教室に参加したという。
実は今回、遠方の参加者には市が宿泊施設を斡旋するなど、地元の有力企業であるマウスコンピューターと飯山市が連携して取り組んだ部分もある。市の職員の1人は「パソコン組み立て教室は2回目ですが、今回も好評でとてもよかったです。マウスコンピューターさんと一緒に、例えば、観光なども含めたプログラムを用意して、飯山市全体で盛り上げていきたいですね」と語っていた。飯山市のマウスコンピューター「パソコン組み立て教室」は、来年以降も恒例のイベントになりそうだ。
【後藤治,ITmedia】
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